確信

144 確信

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 我はゴーレムなり。

 黒い雲を消したら、大きな樹にいた女の人から木の実をもらった。

 すごい……。

 これはすごい形のいい木の実。
 色もツヤも素晴らしい!

 こんなすごい物をもらっても良いのだろうか?

 我は木の実を受け取りつつ、何度も女の人にもらって良いのか確認した。
 女の人からは是非もらって欲しいと言うことだったので、我はありがたくもらうことにした。

 はー、すごい物をもらってしまった。
 なんてきれいな木の実なのだろう。

 我はもらった木の実をないわーポーチに大事にしまい、その場を後にする。

 村に立ち寄ってみたが、暗雲が消え去ったことに気付いたのだろう。
 村人達も笑顔だ。子供もうれしそうに笑って走り回っている。

 うむうむ。
 我の身体を磨いてもらった恩は返せたのではなかろうか。

 このあたりにパンダはいない。
 ティーロードに戻って、先に進もう。

 ◇ ◆ ◇

 我はティーロードを進む。

 ティーロードを進むにつれ、魔物と出会う頻度が増えた。
 我は適度においはらっているけれど、普通の旅人だとあぶないのではなかろうか。

 あぁ、だから、この辺りは旅人がまとまって移動しているのだな。
 なんであんなに人が多いのだろうかと思っていたが、魔物が増えたからだ。

 ティーロードは比較的安全な交易路だったと思うのだが。

 これは次の町か村で情報を集めた方がいいかもしれない。
 パンダの情報のついでに。

 ◇ ◆ ◇

 我はティーロードを進み、次の町へと辿りついた。
 酒場やお店で我は噂話を拾っていく。

「最近、やけに魔物が多くないか?」
「あぁ、この先ではもっと魔物が増えるそうだぞ。先に進むのは止めた方がいい」
「だから、最近は反対からくる旅人が少なかったのか」
「残念だが、戻った方がいいだろう」

 この人たちは帰るらしい。

 しかし、我にはやるべきことがある。
 見つけなければならないものがいる。

 我は引き返すことはできない。

 我は決意を新たにティーロードを先へと進む。

 ◇ ◆ ◇

 さらにティーロードを先に進みながら、情報を集めた。
 しかし、いくつかの町や村を通ったところでティーロードは通行を禁止されていた。

 今までとは比較にならないほど、この町は緊張感に包まれていた。
 我はゴクリとつばを飲み込む。
 ゴーレムだから、つばは出ないけど。

 どうやら、まがまがしい魔物がティーロード近辺で多数目撃されているらしく、実際に村が壊滅するという被害が出ているそうだ。村人達は連れ去られたり、魔物に食べられたり、生き残りは数えるほどしかいない。さらに、まがまがしい魔物は人の言葉を話すことができたという。本当か嘘かはわからぬが、邪神を復活させるというようなことを言ったらしい。

 それを防ぐべく、領主の軍隊や冒険者ギルドが討伐隊を編成して対応しているらしいが、上手くことは進んでいないみたいだった。さらに守護者と名乗る者が、魔物を倒して回っていたらしいが、魔物の本拠地に乗り込んだあと、帰って来ていないそうだ。

 魔物の本拠地はわかっているのか、と我は頷く。
 そんな我のもとへ守護者の情報がさらに聞こえてくる。

 いわく、その姿はクマの如く。
 いわく、その姿は普通のクマではなく、白い体毛で覆われており、ところどころに黒い体毛がある。
 その守護者が腕をふるえば、魔物は吹き飛び、咆吼をあげれば、魔物は逃げ出したという。
 さらに人々に対しては優しく、人々を虜にしていたそうだ。
 そして、暇さえあれば、緑の細い植物をもしゃもしゃと食べていたらしい。

 我は思った。

 それ、パンダじゃない? と。

 いや、間違いない!
 それはパンダだ。

 緑の細い植物は笹に違いない!

 我は拳を握りしめる。

 とうとう。
 とうとう、我は辿りついてしまったかもしれない。
 パンダの元に!

 守護者(パンダ)は魔物の本拠地に行ったというのだ。
 我も魔物の本拠地に行かねばならぬ。

 我は行くぞ、魔物の本拠地に!
 ……どこにあるのだろうか。

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